社員・従業員に関する素行調査は、勤務態度のチェックや社員の行動による会社へのリスクなどを防ぐ目的で多くの企業によって行われています。社内のみでの調査だと調べられることに限りがあるため、探偵を雇い社員の生活や交友関係といった細かい事柄まで調査するケースも少なくありません。
この記事ではそんな素行調査について、過去の調査事例を交えながら調査で分かる情報や防止できるリスクをお伝えしていきます。社員の勤務時間内外の素行調査や就職を控えた新入社員の調査を考えている方は以降の内容を参考にしてみてください。
社員の素行調査をする事で分かる情報
素行調査では勤務態度の評判が良くない社員を調べたり、業務の怠慢に当たる行為や不倫・ハラスメント行為の事実確認を行うことが可能です。
具体的には社員の素行調査をすることにより
- 勤務状況
- 不正行為の有無
- 交友関係
- 競合他社との接触
- 入社前の経歴
といった情報が分かります。
実際の勤務状況 | ・勤務時間中にパチンコ屋に行くなどの業務怠慢行為 ・パワハラやセクハラなどのハラスメント行為 ・社内不倫 |
不正行為の確認 | ・経費の横領 ・交通費や旅費などの水増し申告 ・労災費用の不正受給 |
交際関係 | ・反社会勢力との繋がり ・競合他社との接触 |
入社前の経歴 | ・過去の学歴や職歴の確認 ・反社会勢力との繋がり ・過去の犯罪歴 |
社員に対する素行調査は対象者が社内ルールに反した行動を取っている時に行われやすいです。探偵や興信所に調査を依頼する場合は、調べてほしい事柄を事前に整理しておくとやり取りがスムーズに進みます。
素行調査は会社のリスク対策に繋がる
社員の素行調査を行う目的としては「会社にトラブルや損害を与える可能性を持つ社員を調査し、そのリスクを防止する」という点も挙げられます。
例えば会社の経費や手当を不正受給した疑いのある社員に対して素行調査をすれば、後に起こり得るかもしれない横領や水増し申告のリスクを未然に防げる可能性があります。調査によっては会社の大きな損害や労働環境の悪化に繋がる事態に対しても、早急に手を打つことができるでしょう。
防止できるリスクは様々にありますが、次のようなものが一般的です。
・社員の職務怠慢による業績不振
・ハラスメント行為による労働環境の悪化
・横領や癒着などの不当な行為
・反社会的勢力とのつながり
・競合他社への情報のリーク
・労災手当などの不正受給
多くの会社では、就業規則で上記のような損害やトラブルの元になる要素が禁じられています。ただし、これらの行為をする社員に注意や警告、懲戒処分などの対応を行う場合、その事実を証明するための証拠が必要です。
こうした関係から、会社の素行調査は証拠をつかむために探偵や興信所に依頼して綿密な調査を行うことが多いです。探偵の手を借りれば社外の調査も行いやすくなるため、ヘッドハンティングや反社会勢力との接触、情報漏洩、企業情報のリークといった外部接触によるリスクの防止にも期待できるでしょう。
過去の事例を紹介
事例1(勤務時間中にパチンコ屋に入り浸っていた営業社員の調査)
営業職である社員Aをパチンコ屋で目撃したという情報が営業部内で広まっていました。私は管理職なのでそれが事実ならば対応しないといけないのですが、噂レベルの情報だったためどのように事実確認すればいいのか悩んでいました。
社員Aと仲が良い人物の話によると彼は少し前までは仕事において優秀な営業マンだったようです。しかし、ここ最近は不真面目さが目立ち営業成績がどんどん下がっていたとのことでした。社長からは「能力的には優秀な人材であるため、事実確認をして本人と話し合った上で体質改善を促してほしい」という意見を受けたので、今回探偵に社員Aの素行調査について相談してみることにしました。
事例2(就職予定の新入社員の普段の行動)
当社の業務は国の重要な機密情報を取り扱うケースが多く、そうした職業上の関係から社員による情報漏洩や虚偽申告には常に気を使っています。採用に関してもリスクを防止するために、最終選考に残った就職予定者の学歴や日常生活に問題がないか、ある程度の素行調査をするのが慣例です。
今年も新卒の採用者を決める時期がきたので、昨年に引き続き探偵に調査を依頼することにしました。
事例3(競合他社の担当と会い内部情報をリークして報酬をもらっていた)
当社開発部の人物から、開発部所属の社員Bが競合他社の社員と会っていたという情報を聞きました。当社では今現在新製品の開発に着手している最中であるため、もし社員Bと競合他社の人間のやり取りが製品情報のリークだとしたら迅速に対応しなければなりません。
社運をかけた製品でもあるので、当社役員と相談した上で社員Bの調査を探偵にお願いすることになりました。
事例4(会社の上席が暴力団事務所に出入りしていた)
複数の社員から上席役員が暴力団事務所に出入りしているのを目撃したという情報を得ました。上席役員は取引先とのパイプ役として優秀な働きを見せていた人物でしたが、これまでに細かい身辺調査を行ってはいませんでした。当社としては万が一、反社会勢力と対象役員の繋がりがあったら困りますので探偵に調査について相談しました。
社員の素行調査をするのは違法?
人によっては社員の素行調査に伴う尾行・張り込みが、ストーカー防止条例にある「つきまとい行為」に該当するのではないか?と思うこともあるでしょう。ですがこの場合、ストーカー防止条例には抵触しません。
これは何故かと言うと「特定の者に対する恋愛感情、その他の好意の感情、またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足するための行為」という定義がストーカー防止条例の条文に記載されているためです。
そのため、企業のリスク防止や勤務状況改善を目指した社員の素行調査であれば適用外になるのです。
ただし、そうした社員の素行調査でも行き過ぎた尾行や張り込みは別の観点から違法となるので調査を行う側は注意しておきましょう。
この場合の行き過ぎた行為とは住居侵入罪などに当たる他人の住居に無断で侵入するようなものを指します。また、明確な調査理由が無いにも関わらず調査を行い、対象者に負担や被害を与えてしまっているケースでは地区町村で定められている迷惑防止条例に抵触する可能性もあるでしょう。
法人が素行調査を探偵に依頼するメリット
素行調査を探偵に依頼することで、企業独自で調査を行うよりも様々なメリットが得られるようになります。
特に以下の点が大きなメリットだと言えるでしょう。
- 時間や労力をかけずにしっかりした証拠が入手できる
- 尾行や張り込みが行いやすい
- 探偵は法律知識があり調査が違法になりにくい
- 法的効力のある報告書を作成できる
時間や労力をかけずにしっかりした証拠が入手できる
第一のメリットは依頼者側の時間や労力の負担なく具体性のある証拠を手に入れられるという点です。
素行調査は、探偵の手を借りずに会社だけでも行うことはできます。ただしその場合、素人による調査になってしまうため、調査がスムーズに進まなかったり時間や労力面で負担が掛かる可能性が高いです。調査を会社の業務と並行して行うケースでは、業務への支障も考えられるかもしれません。
一方、探偵による調査では調査に関する事柄をほぼ探偵に任せることができます。依頼者側は時間や労力を割かなくて済むので、調査による支障を感じにくいです。
尾行や張り込みが行いやすい
素行調査では相手の行動を確かめるために、尾行や張り込みを行います。この尾行や張り込みは対象者に気付かれると、調査の失敗を招く可能性があるので注意しなくてはいけません。一般の方の調査だと調査バレを恐れて尾行や張り込みを満足に行えないケースも多いです。
しかし、探偵に依頼する場合経験やノウハウを活かして尾行や張り込みを行うため、調査バレや満足に足取りを追えない状況が起こりにくいのがポイントです。
また、探偵は対象者に顔を知られていないというのも調査依頼する上でのメリットだと言えるでしょう。いくら尾行や張り込みを上手く行ったとしても、対象者が会社の人間を見かければ警戒する可能性は高くなります。ですが探偵なら気づかれないどころか、通りすがりの人間や店舗に偶然居合わせた人間として対象者に自然な形で近づくことが可能です。
アステル探偵事務所では、累計14,000件以上の実績をもつ調査会社との強力なパートナーシップを結んでいる関係で高い調査能力を活かした業務を行うことができます。弊社独自の調査方法を使ったGPSを使わないバイク調査は、ご相談者である法人様からこれまでに多くの良い評価をいただいて参りました。
当社では社員の素行調査を巡る法的トラブルの対応や対象者の処分、調査後のアドバイスに関しても法的な観点から丁寧にアドバイス致します。調査をご希望でしたら、まずは便利な無料相談をご利用くださいませ。法人・個人を問わずお気軽にご連絡ください。
探偵は法律知識があり調査が違法になりにくい
調査に関連した法律知識を持つ関係で、調査が違法になりにくいという点も探偵に依頼した時のメリットです。前述したように社員の素行調査は違法ではありませんが、調査のやり方によっては住居侵入罪や迷惑防止条例に該当するケースがあります。この罪に当たるケースと当たらないケースの線引きは法律の知識を持たないと判断することができません。
素人の方の調査だとこの線引きが分からず、気づかない内に違法行為に手を染めてしまう場合も多いです。それに比べて探偵は法律知識を持ち、日常的な業務として素行調査を手掛けていますので、合法・違法の線引きに関しても基本的に把握しています。
法的効力のある報告書を作成できる
最後に紹介する探偵依頼時のメリットは、法的に有力な「調査報告書」を探偵が作成してくれるという点になります。
社員による情報のリークや違反行為で会社が損害を受ける事態を防ぐためには、客観的に見ても対象者の行為がわかるような証拠を用意するのが望ましいです。できれば法的にも効力を持つ証拠の方が良いでしょう。もし、不十分な証拠を理由にして処分や解雇を行った場合「確実な証拠が無いのに不当な処分を下された」として対象者が会社相手に裁判を起こす可能性があります。
そして、こうした法的にも利用できる証拠を求める際に役立つのが探偵の調査報告書です。
この探偵による調査報告書は、ただ調査結果をまとめてあるだけでなく、時系列順に対象者の行為が画像や動画を交えて記録されています。その関係から対象者への証拠提示はもちろん、裁判で提出する書類としても扱えるケースが多いです。
まとめ
素行調査は社員の就業規則に違反した行為を調べる目的で行われるケースが多いです。社員の違反行為を放置していると、会社にも何らかの影響や損害が及ぶ可能性が出てくるため調査はできるだけ早めに実地した方が良いでしょう。
調査で証拠を十分に確保できれば、違反行為を行った社員が言い逃れできない状況を作り出すことが可能です。対象者への対応は重度の違反行為の場合、処分や解雇といった厳しいものになりやすいですが、軽度の違反行為であれば交渉をして勤務態度の改善を促す場合もあるでしょう。実際に素行調査を行ったおかげで、対象社員の勤務態度が改善し積極的に業務に取り組むようになったという事例も存在します。
説明してきた通り社員の素行調査は、会社のリスク防止や状況の改善に繋がる有意義なものです。社員に対する疑いや噂の事実確認をしたい企業は、勤務外時間の調査も行いやすい探偵に相談してみてはいかがでしょうか。