探偵事務所や興信所が行う素行調査(行動調査)は様々な場面で実地されることが多いです。素行調査と一言で言っても浮気調査や身元調査、就職に伴う新入社員の身辺調査、さらには家族の行動調査など、その調査種類や範囲は多岐にわたります。
この記事では、そんな探偵による素行調査を依頼することでどういった情報がどこまでわかるのかをまとめてみました。
最新の素行調査事例についても解説しているので、これから浮気調査など探偵による調査を考えている方は最後まで目を通してみてください。
探偵に依頼する素行調査とは?
素行調査とは対象者の所在・行動・素性を調べる調査のことです。行動調査や身辺調査など探偵事務所によっては呼称が変わります。ただ、いずれにしても依頼された対象者の行動観察という内容には違いがありません。
対象者の身辺を調べるといっても、殆どの場合次のように依頼目的に応じて調査が細分化されているのが現状です。
・婚約者や恋人の家族に対する素行調査や勤務先の確認
・対象者の学歴・異性関係・身辺調査
・企業の採用予定者の経歴・身元調査や犯罪歴の調査
・行方不明者の所在調査
・取引企業の活動調査
・近隣トラブルや被害調査
・いじめ、ストーカー被害調査 など
この中でも特に依頼されやすいのが浮気調査、対象者の身辺調査や家庭環境調査、家出した人物や行方不明者の所在調査です。調査は個人からの依頼だけでなく、採用予定者の日常行動や取引相手の素性などを調べたい企業から依頼されることもあります。
調査の取り扱い範囲は業者次第です。ただ、出来る範囲であれば柔軟な対応をしてくれる探偵事務所は少なくありません。行動調査、もしくは素行調査をしている事務所なら配偶者の浮気調査も請け負っている可能性が高いです。
具体的な調査方法について
素行調査では対象者の日常行動を観察するために、聞き込み・張り込み・尾行などのテクニックを駆使して対象者に近づきます。
調査が対象者にバレてしまうと純粋な調査結果が出ないので、周囲や対象者にバレることのないように調査を行うのが基本です。お店の中や特定の場所での調査では変装を行い、周囲に違和感を与えないように努めます。
探偵事務所などに在籍する素行調査員は経験や訓練によりこうした技術に優れていることが多いです。なお、一般の人が尾行や張り込みを行うとストーカー行為とみなされてしまいますが、探偵は公安委員会に届け出た上で業務を行っているため同じ行為をしても罪にはなりません。
調査によって得られたデータや記録は動画や写真、報告書にまとめられて依頼者に渡されます。
GPSは対象を追う時の保険に使われる
相手の位置情報がわかるGPSは、探偵の素行調査においても大変役立ちます。ただし、GPSのデータはあくまで対象者の移動ルートを示しているだけなので、ホテルに車が駐車していたとしても浮気行為の証拠にはなりません。
そうした証拠を求めるなら、ホテルから出てくる相手と愛人の同伴場面を撮影したり行為を証明する要素が必要になります。
また、GPSは無断で他人の所有物などにつけると器物損壊罪に抵触する恐れがあるのもポイント。調査のためであっても対象者の車に無断でGPSを付けたりできません。夫婦共用の車などに関しては2人の内どちらかから許可を取れば、付けられる可能性もあるでしょう。
このようにGPSは対象者の乗り物に付けられる機会が限定的です。証拠能力もそこまでないので、あくまで対象者を見失った時の保険としての運用になります。
盗撮・盗聴を行う調査もある
盗撮や盗聴という言葉を聞くと悪いイメージを連想しやすいですが、探偵が調査の中でこれらのことを行うケースもあります。
探偵による盗撮・盗聴は、探偵業法に沿った上で行われるため、犯罪的なものとは一線を画すのがポイントです。
ちなみに調査の目的に明らかに沿わない音声データや動画の記録(私的な理由で対象者の性的なデータを記録するなど)は探偵といえども違法になってしまいます。
探偵に素行調査を依頼して得られる情報
・婚約者や恋人の家族が経歴や学歴、勤務先を偽っているかどうか
・音信不通になった相手の所在や安否
・企業の運営状況や経歴の情報 など
調査対象者 : 男性 (19歳、息子)
依頼内容:
1年ほど前から大学生の息子と連絡を取る機会が急に少なくなった。電話やLINEにも一切反応してくれないので心配している。
調査内容:
依頼者に対象者の住所を提供してもらい、対象者が住む大阪市内のアパートで張り込みを始めた。
17時にベランダにて対象者の喫煙を確認。その後対象者は部屋に戻った。
18時30分に対象者が自宅を出て徒歩で移動。調査員2名で追尾。
18時50分に最寄駅から電車で移動。4駅先で下車した。
19時20分に雑居ビル内に入るのを確認。その中の1店舗で飲食をしていた。
20時30分にビルから出るのを確認。タクシーを使い帰宅する所を確かめた時点で調査を終了した。
調査後:
依頼者に対象者の記録をまとめた報告書を提出した。後日、対象者本人の口から大学を退学していたことが判明。家族には連絡しづらかったとのこと。
調査対象者:女性(35歳、恋人関係)
依頼内容:
結婚を前提に付き合っていた相手と最近連絡が取れない。勤めている職場に電話した所、一ヵ月前に退社したという情報が得られた。
恋人が現在どのような状況にあるのか気になったため、弊社に相談。浮気の可能性があるなら証拠の確保もしてほしいとのこと。
調査内容:
対象者の住まいを調べると、本人がまだ住んでいることが判明。行動を観察した。
8時から調査開始。
10時に対象者の外出を確認。電車で移動した対象者の後を追う。
12時30分に勤務先だと思われる風俗店に入っていった。
21時に対象者が勤務先から退出。一緒に出てきた年配の男性と合流して、近場のホテルに入っていった。
23時10分に対象者はホテルを出て男性と別れた後、帰宅。
今回は依頼者からの希望もあり、上記のような調査を数日間行った。
調査後:
依頼者に対象者の行動をまとめた報告書や写真、動画記録を提出した。依頼者がその証拠を理由に対象者とやり取りをした所、対象者は趣味で使った借金の返済で風俗に勤務していたとのこと。ホテルの相手は指名の多い太客だった。
素行調査を探偵に依頼するメリット
●対象者の素性・素行がわかる
最初のメリットは、相手の日常生活や経歴が詳しくわかることです。調査を通して相手に対する疑問点や悩みが解消される場合があります。
調査のやり方によってはこれまで見せなかった本来の性格など相手の内面も知ることができるでしょう。
このようなメリットを持っている関係から素行調査は、恋人や婚約者が本当に結婚相手として相応しいのか調べたいケースなどで役立ちます。もし調査によって相手方の両親に犯罪歴があったり、反社会的勢力関係者であることが判明したなら、結婚について考え直すこともあるでしょう。
本人がギャンブルで借金をしていた、もしくは過去にトラブルを起こしていた、という事柄も調査によって初めて明らかになる場合があります。
まとまった調査結果を出すにはそれなりの期間・労力をかけて調査を行う必要があるので、費用を抑えたい方でも探偵に相談してみてください。数ある探偵事務所の中には費用料金を抑えられる割安プランを用意している所もあります。
結婚をすると夫婦だけでなく、その家族達とも義理の関係を結ぶことになります。それに伴い相手方家族の影響でトラブルが起きてしまうケースも決して無いとは言い切れません。探偵や興信所による調査はそんなトラブルを事前に察知し防止する役目も果たします。
もちろん、調査結果で何の問題もないことが判明したのであれば、その場合調べた内容は結婚に向けての安心材料となるでしょう。
結婚前に知らなかった相手の性格、素行に由来した原因による離婚は、数ある離婚ケースの中でも大多数を占めています。家柄や経済的な問題は関係だけでなく財産、将来設計にも大きく関わってきますので、幸せな生活を築くためにも探偵による調査をしてみると良いかもしれません。
調査バレしないメリットや法的効力を持つ結果が得られるメリットも
●相手にバレずに調査できる
探偵に調査依頼するメリットの中には、相手からの調査バレを防ぎやすいという点も挙げられます。たとえば浮気調査で証拠を掴むためには、不倫相手に調査されていることを悟られないことが大前提です。万が一調査がバレると、相手が普段とは異なる行動を取り十分な調査にならないケースも考えられます。
対象者と顔見知りだと本人や周囲の目によって調査バレするリスクが高まりますので、相手と面識の無い探偵の存在はそういったリスクを減らすことにも繋がります。
ちなみに浮気調査では相手の足取りを的確に追うことが何よりも重要です。対象者も浮気が悟られないように工夫している可能性が高いので、しっかり行動パターンを把握しておかないと成果に結びつきません。特に仕事帰りや生活の隙間時間は浮気相手との行為が発生しやすいです。
●法的効力を持つ報告書を作成してもらえる
パートナーの不倫や不貞行為を理由にした離婚裁判では、証拠の有無がその後の展開に大きく影響します。明確な証拠さえあれば相手から慰謝料請求も行えるかもしれません。
そうした観点から言えば、探偵が対象者の浮気現場やホテル同伴場面を写真・動画で記録するという流れは非常に大切です。
裁判では基本的に客観性が重視されます。第三者である探偵が記録した調査報告書は裁判官の心証を良くし、法的効力を持つものとして扱われやすいでしょう。
最近増えてきている相談事例
探偵事務所への依頼内容は時代とともに多様化してきています。近頃では一般的な素行調査以外の依頼についての相談も増えました。
●見守りなどの相談依頼
これまで探偵への依頼は対象者のデータ取得や証拠の確保など調査形態のものが殆どでした。しかし、最近見られるのが防犯リスクの軽減や安心を担保する目的での依頼です。具体的には次のような依頼が挙げられます。
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- 子供が夜間塾に通う際や登下校する際の見守り
- 高齢になった親の見守り
これらの依頼が増加した背景には、子供や老人が巻き込まれる事件・事故が近年多発していることが関係しています。
特にそういった事柄が起きやすいのが人の目や防犯カメラの少ない地方各地。足りない見守り人員を補うため、探偵を雇うことも珍しくなくなってきているのです。
そして、高齢の親御様への行動観察も探偵事務所へ依頼される時代になりました。
こちらは犯罪防止という点もありますが、対象者の日常行動を見守ることで「振り込め詐欺」や「認知症」の早期発見率を高めるのが主な狙いです。また、地方から上京した息子が離れた地にいる親に対して、見守りを兼ねた調査を依頼するケースもあります。
●企業からの内部調査依頼
前述したような家族の見守り依頼のように、企業からの依頼も様々なものが見られます。具体的には横領やサボり疑惑のある社員の調査、社員の情報漏洩に関する調査などの依頼が近頃増えてきました。この背景には業務態度の改善や社内ルールの徹底を目指そうとする企業が多くなってきたことが関係しています。
ルール違反の疑いのある社員を会社側で調査すること自体は可能ですが、勤務時間外の行動まで監視ができないという企業は少なくありません。ですが、そんな時こそ探偵に依頼することで、勤務時間内外合わせての素行調査が可能になります。
素行調査で調べることが難しい情報
ここまで探偵事務所の素行調査には様々な種類があり、目的に合わせた情報がわかることをお伝えしてきました。しかし、探偵だからといって全ての事柄に対する情報がわかるという訳ではありません。調べることが難しい情報も存在します。
住民票や戸籍書類の情報
探偵が調べられないものとしては、対象者の住民票や戸籍書類などの情報が挙げられます。
住民票や戸籍に関する書類は本人もしくは本人からの委任状を持つ第三者の申請が無ければ入手することができません。探偵の調査であっても同様で、どうしても該当書類の入手には対象者の了解が必要になります。
2008年4月以前では第三者による住民票の閲覧が認められていたので、探偵でも対象者の書類を調べることができました。しかし、個人情報書類の悪用が目立ったため法律改正で現在のような形になっています。
対象者の具体的な借金状況
具体的な借入額や借入遍歴は本人の口から聞かない限り、探偵の調査でも知ることができません。
借入に関する書類があればそういった情報がわかるかもしれませんが、調査のためといえ、本人の許可なく書類を見たりするのは法的な違反になります。届いた借金書類の封筒を無断で開けてしまうと「信書開封罪」に問われることもあるでしょう。
「日本信用情報機構」では債務者情報を収集していますが、こちらの情報は第三者による開示請求ができないようになっています。
- 借入した金額や時期
- 支払い日
- 現在の借入残高
- 延滞や未払いの有無 など
借金が存在するかどうかは対象者の素行を調べる中で判明する場合があります。たとえば消費者金融に頻繁に通うような行動が見られたら借金をしている可能性は高いと言えるでしょう。急にギャンブルや極端な趣味嗜好での浪費、そして愛人にお金を貢ぐ行為が増えた場合も同様です。
生活レベルの変化からも借金の有無が読み取れたりするので、本人しか分からない情報が多いと言っても探偵に相談すること自体に意味が無い訳ではありません。
携帯の電話番号だけでの調査はできない
ネットでの交流が増えてきたことにつれて、携帯番号しか分からない相手に対する素行調査依頼を行う方も見かけます。しかし、携帯電話番号のみから個人情報を割り出す行為は合法的な方法ではできません。ただ、相手がSNSをしているのであればアップロードされている写真の風景や発言、位置情報を参考材料にして調べることが可能です。
偽名を名乗っていたりなど対象者が自身の情報を偽っているケースもありますが、基本的には電話番号以外の情報を組み合わせていくことで調査自体は行えます。
出自を調べるような身元調査は法的に禁止されている
出自を調べることを前提とした身元調査も探偵業法により調査禁止事項にされています。対象者が「被差別部落出身」ではないかと疑念を感じ調査依頼をしても、探偵は依頼を受けることができません。法律的な意味合いはもちろんのこと、差別に関連する恐れがあるという点からも調査が断られやすいです。
なお、対象者の出自自体は本人とのやり取り、もしくは引っ越し歴から偶然の形で判明してしまうケースもあります。
下記の電話番号では24時間いつでも無料相談に対応しております。具体的な調査内容や見積もり費用等についての疑問、相談や依頼がありましたらお気軽にご連絡ください。
無料相談フリーダイヤル : 0120-405-297(東京、大阪、福岡などの都市圏をはじめとした全国エリアにてご相談を承っております)
まとめ
探偵の素行調査は相手の行動や身辺を調べる業務のことを指します。素行調査には様々な種類があり、依頼目的に合わせ浮気調査や身辺調査といった形で分けられているケースも多いです。
対象者の名前、住所、交友関係、評判などは聞き込みや追尾調査などを通して詳細に調べることができます。
そんな素行調査でも調べられない事柄があるという点には注意しておきましょう。対象者の住民票など個人的な書類を閲覧・取得する調査は、対象者本人の許可が必要になるので難しいと言えます。借金額・借金歴を調べるような調査に関しても、情報源となる借入書類やデータの閲覧は対象者自身にしかできません。
調査できない事柄には出自に関する身元調査もあり、こちらは差別に繋がる可能性があるという理由で法的に禁止されています。
自分自身での調査を考えている方もいるかもしれませんが、日々の生活を過ごしながら調査を進めるのは労力・ストレスの負担が大きくかかりやすいです。調査バレ、もしくは調査の失敗リスクもありますので、まずは探偵に相談をしてみることをおすすめします。
探偵の利用を考えている方は本記事を参考にして、素行調査がどういったものなのかを把握しておきましょう。