人探しを探偵事務所や興信所へ依頼するケースはとても多いようです。また、失踪した家族や、疎遠になった友人等、人探しの対象者は様々です。この記事では人探しの方法や成功確率等を詳しく紹介したいと思います。
探偵が人探しを行う方法
探偵事務所や興信所への人探しの依頼は意外にも多くありますが、具体的にはどうやって探しているのでしょうか。一言で人探しといっても、探偵事務所や興信所、さらにはその調査対象となる人物によって方法は異なります。また、その対象は実に幅広いものです。
探偵社や興信所に依頼される主な人探しの調査対象者は次の通りです。
- 家出した家族や失踪した親戚
- 学生時代の友人や恩師
- 思い出がある元恋人や初恋の人
- 会社とのトラブルを抱えた元従業員
- 会社の元同僚
このような対象者ごとに探偵が行う人探しの方法は異なるのです。
ただし、人探しのベースとなる部分は同じですので、ここでは探偵が人探しを行う一般的な方法についてご紹介します。
探偵の人探しの基本は情報収集
探偵社や興信所の人探しは、まず依頼者との相談、面談から始まります。この段階で、かなり突っ込んだ質問がされます。なぜなら、人探しの基本は情報収集だからです。
また、相談スタッフは具体的かつ客観的な事実関係を知りたいものです。主観的な事柄であれば、事実と異なる証言が一人歩きするからです。そのため誰にでも分かる客観的な事実が必要になります。
手がかりとして、対象者の人物像や所在地、写真、失踪時の服装、勤務先や学校、通勤の移動手段、喫煙歴等の細かい点までを確認しますが、失踪時の状況説明はとても重要です。
例えば、失踪した家族を探す時には、最新の写真や動画はもとより、その人のしゃべり方の癖や、身体的な動き方の特徴などがあれば、それは大いに参考になります。顔や体の一部にあるホクロの位置やアザの有無などとともに、詳しい特徴や特質を整理しておきましょう。
情報収集は依頼者から話を聞くだけではありません。探している人の周辺への聞き込みや、過去のメールのチェック、ネットでの検索による情報収集を行っていきます。近年ではネット調査の比重がとても大きくなっています。なぜなら、行方不明者がTwitterやFacebook等のSNSをしている可能性があるためです。
また、企業や団体のホームページに名前等の手がかりが載っているケースもあるので、ネット調査を念入りに行うことで見つかる可能性が高まります。
人探しのためには勤め先や出身校も利用する
探偵の人探しでは、かつての同僚や同級生の場合、勤め先、または出身校に問い合わせてみることがあります。できる限り直接訪問するのですが、それは名簿や住所録が一定期間、保存されている可能性があるからです。
また、人探しの事情を説明することで、様々なルートから調査の協力をしてもらえることもあり得ます。いい意味でいろいろな人たちを巻き込むことで、音信不通になった方などの身元が分かることもあるのです。
対象者を発見後は徹底した張り込みと尾行
依頼者からの相談内容や実地調査で有力な情報が得られ、ようやく対象者の居場所がわかったとしても、それですべて解決したわけではありません。なぜなら、どうして失踪したかを突き止める必要があるからです。そのため、対象者を見つけた後は、徹底した張り込みと尾行を行います。
まずは対象者の現在の生活状況を確認します。居住地、仕事の有無、勤務先、家族構成等を細かく調べていきます。
その時のポイントは、相手に感づかれないことです。物的証拠として写真を撮る必要もありますから、探偵社や興信所には高度な技術で撮影し、証拠を押さえることが求められます。
証拠である写真撮影に成功すれば、写真や動画を報告書とともに依頼者に確認してもらい、行方不明者との整合性を確認することになります。
全て探偵任せにしないこと
人探しを解決させるには全てを探偵任せにするのではなく、依頼者にも努力が必要です。
家族の失踪や行方不明者の捜索の場合は、故意に家出をしたのか、事件等に遭遇したのか分からないケースが多くあります。そのため、対象者の私物などを徹底的に調べる必要があるからです。
対象者の衣服や下着、財布や通帳、そして保健所や印鑑等が自宅からなくなっていれば、それは意図して行方不明になった可能性が高くなります。失踪者の自宅や私物を念入りに確認し、行方不明になった状況を正確に把握することが、調査成功のカギを握ることもあるのです。
探偵社任せにすることなく、失踪の足取りを最大限、調べることも依頼者に求められている責任の一つです。依頼者と探偵事務所、双方の協力があってこそ人探し調査の成功につながります。
探偵が人探し調査の依頼を断るケース
人探しを探偵事務所に依頼しても断られることがあります。特に次のような事例ではその傾向が顕著です。
- プライバシーの侵害の可能性がある
- 犯罪に関わる調査
- 嫌がらせ目的(ストーカー行為など)
- 反社会的勢力とのつながりがある場合
以下、詳しく解説をしていきます。
探偵事務所が依頼を断る理由
探偵社が依頼を断る理由には様々ありますが、特に犯罪に触れるような調査や違法行為に該当しそうな調査の依頼は断られます。
例えば、たびたび通勤電車で見かける女性が好きになり、その女性の調査を依頼した場合などは、「犯罪に関わる調査 」になり、「嫌がらせ目的のストーカー行為」になる可能性を秘めています。それはプライバシーの侵害にも該当します。
さらには「反社会的勢力とのつながり」いわゆる暴力団関係者の捜索はその典型的な例です。敵対する暴力団員が一般人になりすまして、相手の暴力団員を探した場合、それが抗争事件への加担につながりかねません。
このように人探しの目的に妥当性・正当性がなければ、探偵社は絶対、依頼に応じることはありません。行方不明になった家族や、音信不通になった友人等の捜索には、れっきとした目的があります。合法的な範囲内での人探しなので、依頼を断る理由がありません。
人探しが得意な探偵社や興信所の見つけ方
人探しが得意な探偵社や興信所の見つけ方は、とてもシンプルです。それはテレビCMやWEB広告などで見かけた業者にすぐに飛びつくのではなく、いくつかの候補を挙げて、実績や料金をじっくり比較検討することです。
特にそれぞれの業者の人探しの実績と料金体系はよく比較してみましょう。いくら実績が良くても予算をオーバーしていたり、いくら料金が安くても成功率が低くかったりすれば依頼する意味がありません。
ここでは目安となる調査成功率と料金体系についてご紹介しますので、人探しを検討している方はぜひ参考にしてください。
■料金体系・調査成功率を事前に確認する
人探しの調査成功率はどれくらい?
人探しを探偵社や興信所に依頼しても、その調査成功率は各業者によって異なります。
実際の成功率は3件に2件、平均で70%から80%くらいではないかとされています。つまり、どの業者に依頼しても100%成功することはありません。
しかし、成功率100%と謳う業者がいるのも事実です。また、成功率80%や90%といった漠然とした数値をウリにし、誇大に広告を表示している業者もいます。このような謳い文句を語る探偵社には注意しましょう。
ひとくちに人探しと言っても状況によって発見の難易度が全く違いますので、一概に成功率を出すのは難しいのが実情です。ただし、探偵社や興信所の中でも、大手ほど成功率が高い傾向にあります。なぜなら、人探しは先ほど紹介した依頼者からの情報や地域周辺での聞き込みなどのほかに、それぞれの探偵事務所がもつ独自のネットワークを駆使して捜索を展開するからです。
過去のデータの蓄積からつくられた情報網が、全国に支店をもつ探偵社ほど充実しています。大手の探偵社ほど、そのネットワークが構築されており、独自のデータベースと併用することで、高い成功率を実現しているのです。ただし、その分費用が割高になる場合もあるので注意しましょう。
大手の探偵社でなくても、提携する調査会社に所属する調査員が多数おり、全国を回ることができる体制を取ることで調査成功率を高めている業者もあります。まずは問い合わせをして調査の可否を聞いてみましょう。
人探しの料金はいくらぐらい?
次に料金体系も確認しましょう。一般的に人探し調査の費用は時間制、完全成功報酬型プラン、成功報酬型プランがあります。完全成功報酬型は、成功報酬型と比べ割高になることが知られています。
完全成功報酬型プランは、着手金や諸経費等は無料です。しかし、調査が成功すれば報酬をいただくというものです。一方の成功報酬型プランは、調査の失敗でも着手金や諸経費は既に委託料金に含まれています。その結果、人探しが成功すれば、トータルの総費用では完全成功報酬型プランの方が高くなる傾向があります。この違いも探偵社や興信所を見つけるときには重要です。
人探しは調査成功率とともに、調査費用の比較も考慮しながら、依頼する際の基準を考えることをお勧めします。
探偵社や興信所に頼らずに探すときの注意点
人探しを探偵に依頼する際、事前情報の収集として、ネットの情報を参考にすることがあると思います。特に経験談を語る口コミなどを参考にされるケースも多いようですが、その結果、探偵社や興信所に頼らず、個人で探そうと思う方もいるかもしれません。しかし、それは簡単なことではありません。
個人で探す方法として考えられるのは、SNSやインターネット上で探すことです。名前や過去に勤めていた会社等を手がかりに捜索するのです。
また、失踪者なら警察へ捜索願を出すことも有効です。緊急性の高い案件では、警察としても捜索願を受理してくれる可能性が出てきます。このような場合は速やかに警察へ相談に行かれることをお勧めします。
誰にも頼らず一人で人探しをすることもできなくはないです。しかし、とてもリスクをともない、決して簡単ではなく、労力も使い、その結果、成果も得られないことは大いにあります。自ら調べる過程で自分では気づかないうちに不正に個人情報やプライバシーの侵害を犯してしまう可能性があります。その結果、次のような罪に問われることが懸念されます。
●個人情報保護法違反(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)
●ストーカー規制法違反(2年以下の懲役または200万円以下の罰金)
●住居侵入罪(3年以下の懲役または10万円以下の罰金)
●プライバシーの侵害(損害賠償請求)
●その他
このように安易な捜索や行動によって、前科や前歴などの不名誉な経歴が加わることになりかねません。人探しをする際は、多少、コストがかかっても、探偵事務所に依頼したり、警察への捜索願いを出すことをお勧めします。
「探偵社や興信所はどうやって人探し調査をしている?方法を解説」のまとめ
今回は、探偵社や興信所がどうやって人探し調査をしているのかを紹介しました。
探偵社や興信所の人探しでは、極端な話、捜索者の名前が分からなくても探すことは可能です。その際、知っているすべての情報(容姿、出会った場所、過去の勤務先、学校)を伝えることで調べることができます。人探しは探偵や興信所によって調査結果に大きな違いが出るものです。今回の記事を参考に探偵の人探しについて理解していただければ幸いです。