人探しをする際、まず思い浮かぶのは警察に捜索を依頼することだと思います。警察に依頼すると基本的に捜索費用は無料ですが、何らかの理由で捜索願が出せず、警察が捜索してくれないこともあります。
今回は人探しを警察に依頼した際の対応基準や、警察を頼らず自分で行方不明者を探す方法などを解説します。
人探しを警察に相談して捜査してくれるケース
「幼い子供が突然いなくなった」「夫が遺書を残していなくなった」「ストーカーに遭っていた交際相手に連絡が取れなくなった」など、突然人がいなくなった場合、警察に依頼すれば人探しをしてくれる場合があります。
しかし、実際に日本では年間8万人以上もの人が行方不明者として届け出られていますが、その中で、警察が捜索してくれるのは、
- 事件性がある
- 緊急性がある
- 行方不明の未成年の捜索
- 特異家出人
など「特異行方不明者」の場合です。
つまり、警察に捜索願を出したからといって、必ずしも捜査してくれるわけではないのです。
事故遭遇者 | ・災害や事故、事件が発生した場所にいた ・山や海での遭難、交通事故など心身に危険が及んでいる可能性がある |
自殺企図者 | ・遺書が残され、自殺の可能性がある ・いじめや借金などに苦しんでいた ・自殺をしたがっていた |
凶悪犯被害者 | ・誘拐や連れ去り、殺人などの犯罪に巻き込まれた可能性がある ・殺人や誘拐など犯罪の予告があった ・以前からストーカー被害に遭っていた ・調査対象者がいた場所に血痕が残っていた ・犯人判明時、警察は犯人を逮捕してくれる |
自傷他害の恐れがある者 | ・重病を宣告されたり、極度のパニック状態や精神不安定状態に陥ったりなどし、平常心が保てず、善悪などの判断ができない ・精神障害があったり、危険物を所持したりして、自身や他人を傷つける可能性がある |
福祉犯被害者 | ・こどもの福祉に悪影響を与える可能性がある ・性的な対象として事件に巻き込まれている可能性がある |
自救無能力者 | ・病人や高齢者、幼いこどもなど、保護しないと自分だけでは生活ができない可能性がある |
上記以外でも場合によっては、「特異行方不明者」として警察が捜索してくれることもあります。「特異行方不明者」はすぐに捜索をする必要があるため、多くの場合、捜索願が出されるとすぐに捜索をしてくれます。
警察に相談する際の注意点
しかし、警察としても、捜索届が出されても、実際にはなかなか捜索を始められない場合もあります。
警察に相談する際、
- 「民事不介入の原則」がある
- 一般的な家出人にはあまり動いてくれない
- 捜索願不受理の場合がある
などの注意点があるのです。
「民事不介入の原則」がある
警察には「民事不介入の原則」というものがあり、民事問題には立ち入ってくれません。以前お金を貸した知人を探したい、迷子になった幼い息子を見つけてくれた見ず知らずの人にお礼を言いたい、などのようなことは事件性が低いので、警察は介入してくれないのです。
一般的な家出人にはあまり動いてくれない
夫婦喧嘩をして夫が家を出た、介護や育児に疲れて妻がいなくなった、など成人が家出をした場合、事件性が無かったりします。また、自殺の願望を示したりしていなければ、生命の危険などの可能性も考えられないので、「一般的な家出人」となり、多くの場合警察は捜索してくれません。
捜索願不受理の場合がある
事故や事件性がある、などの場合、警察が捜索をしてくれる場合がありますが、それには「捜索願」を警察署に提出する必要があります。
「捜索願」は
- 調査対象者が行方不明となった時の居住地などを管轄する
- 調査対象者が行方不明となった場所を管轄する
- 届出をする人の居住地などを管轄する
のいずれかに該当する警察署に、行方不明者の
などが提出する必要があります。交番などでは捜索願は提出できないので、気を付けましょう。
また、警察署で捜索願が受理されない場合、以下のような理由がある可能性があります。
- 書類上の不備がある
- 行方不明者から不受理届が出されている
- 行方不明者の親族から提出を反対されている
一つずつ見ていきましょう。
書類上の不備がある
捜索願を出すときは、以下のような行方不明者の情報を記載し、印鑑や身分証明書(保険証や免許書、パスポートなど)を持って行く必要があります。
・氏名
・生年月日
・職業
・身長や体重
・失踪時の服装
・よく行く場所
・失踪の原因を考えられる事柄
捜索願の記載事項に不備があったり、印鑑や身分証明書を忘れた場合には受理されない場合があります。
行方不明者から不受理届が出されている
行方不明者本人が「自分のことを探してほしくない」という場合、捜索願の「不受理届」を警察に提出することができます。不受理届が先に出されていた場合は、警察は捜索願を受理することができません。
行方不明者の親族から提出を反対されている
先述したように、親族以外の人からでも捜索願を提出できますが、親族以外の関係者が提出する場合、親族が提出できない理由などを警察に伝える必要があります。行方不明者の親族が捜索願の提出に反対している場合は、捜索願が受理されないことがあります。
警察の調査にかかる費用は?
警察に調査をしてもらう場合、費用はどのくらい掛かるのでしょうか。一覧にまとめました。
・市街地での捜索:無料
・街中の河川や地下水路などの捜索:警察の機動隊、消防隊、自衛隊が出動しても無料
・山などでヘリコプターでの捜索:公的機関のものならば無料
・許可や証明書の申請:約400円
さらに、山での捜索をする場合、警察付属の「山岳警備隊」や消防付属の「山岳救助隊」といった公的機関が捜査した場合は無料ですが、これらの公的機関とは違い、地元の「民間救助隊(山岳会)」や「消防団」、「山岳ガイド」などの民間が参加した場合、1人当たり1日5,000~3万円掛かる場合もあります。
さらに、民間に依頼するとそれらの救助隊の
- 食費
- 宿泊費
- 消耗費
- 装備費
- 保険料
- 交通費
などの費用が掛かることもあります。
また、警察や消防のヘリコプターが他の用途で使用されており、公的ヘリコプターでは捜索ができなかった場合、民間のヘリコプター(1時間約50万円)を使用することがあります。その場合は、1時間で50万円前後掛かることがあります。ただし、山の地形や、捜索日の天候などでそもそもヘリコプターを出すことができない場合もあります。
海で捜索する場合、「海上保安庁」や「海上自衛隊」が捜査を行ないます。また、海上保安庁から依頼されて「日本水難救済会」という民間ボランティア団体が捜索に加わることもあります。
いずれにしろ、捜索費用は無料です。しかし、「日本水難救済会」から海上に医師や看護師を派遣した場合は、別途費用が掛かることもあります。海上に医療従事者を派遣した場合、その費用は「船主等負担金」「事業協力金」と呼ばれ、費用は1件当たり10万円、医師と看護師2人を派遣すると1日当たり約20万円掛かります。
警察が捜査をしてくれない場合の対応
捜索願が受理されても、一般的な家出だと思われ、事件性が低いと判断された場合は警察は捜査してくれないことがあります。その場合、自分で行動に移す必要があります。では、自分で人探しをする方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
・共通の知人に連絡する
・ネットの人探し掲示板を利用する
・官報で探す
・住民票などで探す
などの方法がありますが、その他にも探偵に調査を依頼するという選択肢があります。
インターネットやSNSなどから情報を収集する
行方がわからない人の名前やニックネームなどをインターネットで検索すると、お店や会社を経営していたり、インタビューに答えていたり、ブログを書いていたりなど、その人のことを知れる場合があります。
FacebookやTwitterなどでも、その人の氏名やニックネーム、出身地や出身校などで検索したり、写真や特徴などを投稿し、公開範囲を「一般」に広げ、「#人探し」「#拡散希望」などとハッシュタグを付けることで広範囲で情報を求めることができます。
また、SNSによっては趣味などについて話せる「グループ」があり、もし調査対象者がそのようなグループに入っているなら、調査対象者のことをそのグループ内のメンバーに聞くことで、実際に会うなどして交流があるメンバーの情報を集められるかもしれません。
共通の知人に連絡する
自分は全く連絡先などを知らなくても、対象者と共通の知人である会社の同僚が実は今も連絡先を知っていたり、元同級生が連絡を取っていたりする場合もあります。共通の知人に聞き込みをすることでも、情報を得られることがあるのです。
ネットの人探し掲示板を利用する
インターネットには下記のような人探しの掲示板があります。
このような掲示板を利用することで、行方不明者の手掛かりが見つかることもあります。
・謝礼金が設定できる
・無料で利用できる
・情報提供者が匿名で情報を投稿できる
・提供された情報は、記事の投稿者しか読めない
・無事に人が見つかった場合は、その記事を削除できる
官報で探す
「官報」とは、日本の機関紙です。インターネットでも閲覧できる「インターネット版官報」もあります。
官報には、
・法令の公布
・国からの公布
・皇室や国会に関する資料
・閣議で決定した事項
・一部の公務員の人事異動
・自己破産した人
・行旅死亡人
について記載されています。
自己破産した人については、破産申立人の氏名または名称、破産申立人の住所、破産手続きをした日時などが記載されています。行方不明者と金銭問題を抱えている場合などは参考にできると思います。
また、行旅死亡人とは、「身元不明で引き取り手が不明の遺体」のことです。行方不明時は持病などが無くても、突然死をしたり、事故に遭ったりしていることも考えられます。
住民票などで探す
直系親族であれば、住民票などで人探しをできる可能性もあります。
・住民票
・戸籍
・住民基本台帳
・住民票の除票
・戸籍の附票
などを調べると、
・今の家に住み始めた日
・婚姻歴
・死亡年月日
・転出後の住所
・戸籍作成後から現在までの住所
と言った情報を知ることができます。役所にて300円ほどから閲覧や取得をすることができます。
探偵に調査を依頼する
自分で人探しをしなくても、探偵に調査を依頼することができます。
探偵は一般人とは違い人探し調査に慣れているので、聞き込み、張り込み、尾行などの方法で行方不明者を探し出してくれます。
聞き込みでは、必要な情報を漏らさずに集めるのに卓越しています。張り込みは複数人の探偵が入れ替わりながら行うので、周囲から怪しまれることはありません。また、尾行も複数人で行なうので、人混みでも調査対象者を見失うことなく調査ができます。
遠くからでも調査対象者や場所などを撮影できたり、夜間など暗い中でも撮影できる専用の機材を使用したりするので、調査対象者がどこで何をしているのか、依頼者は報告書などを見て詳しく知ることができます。
探偵社によっては、無料や匿名で相談できたり、様々な料金プランの中から調査依頼者に合った料金プランを利用できたりするところもあります。
人探しを探偵に依頼するメリット
人探しを警察に依頼しても捜索してもらえなかった場合、個人で活動するのではなく探偵に依頼するメリットにはどのようなものがあるでしょうか。
たとえば、次のようなことがメリットとして考えられます。
・調査前に無料で相談できる
・弁護士やカウンセラーがいる
・身近な人に話せないことも相談できる
・合法的に人探し調査をしてくれる
多くの探偵社では、調査前に無料で相談をすることができる上、料金も自分に合った料金プランを選ぶことができます。
また、弁護士やカウンセラーがいて、弁護士が金銭問題や離婚訴訟などの際に力になってくれたり、カウンセラーが人間関係の修復、精神的ケアなどをしてくれたりします。弁護士やカウンセラーが探偵社にいると、調査後に改めて弁護士やカウンセラーを探す必要はありませんし、依頼者や調査対象者の状況は探偵から直接弁護士やカウンセラーに伝えてもらえるので安心です。
さらに、身近な人に話せないことも相談に乗ってくれます。忘れられない以前の交際相手にまた会いたい、金銭トラブルを抱えている元同僚を見つけたい、など身近な人に話せない悩みもあると思います。しかし、探偵は秘密厳守で相談に乗ってくれます。24時間365日オンラインや電話で相談できたり、匿名で相談を受けたりすることもできるので安心です。
合法的に人探し調査をしてくれるのもメリットです。自分で人探しをすると
・プライバシー保護法
・ストーカー規制法
・迷惑防止条例
などに抵触してしまうことがありますが、探偵社は「探偵業法」という法律の元、合法の範囲で探し出してくれるため、安心して調査を任せることができます。
まとめ
警察に人探しの依頼をしても、誘拐や遭難のように事件性や緊急性がないと捜索してくれないことがあります。行方不明者から不受理届が出されていたりすると、捜索願が受理されない場合もあります。
警察が捜索してくれない場合、自分でSNSなどから情報を収集したり、インターネットの人探し掲示板を使って情報を集めたりすることもできますが、探偵社だと終始親身に相談に乗り、合法の範囲内で人探しができます。最適な方法で調査をします。
探偵社によっては、相談や見積が無料だったり、費用の内訳や報告書のサンプルを確認できるところもあります。人探しはスピードが大切です。まずは無料相談だけでも探偵社にしてみてはいかがでしょうか。